【レシピ付き】柚子釜の一品vol.2 東京『銀座 有涯』の「柚子釜の柚子飯」
若干24歳の若さで『銀座 有涯』を構えた、ご主人の藤井亮悟さん。自身でも「大の米好き」と話す藤井さんにとって献立の核となるのは、自らが栽培する「有涯米」です。休日ともなれば静岡県御殿場にある圃場を訪れ、農家の方と一緒に手間暇かけて育てている品種“きぬむすめ”は、大粒で甘いのが特徴。「最初に温かい季節のおじやなどで、胃をならしてからコースを始めていただきたいと思っています」と藤井さん。今回は、柚子釜に柚子果汁をたっぷり搾ったごはんを盛り、野菜と柚子皮の細切りを和えて食べるシンプルな先付が登場。それぞれが織り成す香りは、忘れがたい馥郁とした冬の一品となりました。
東京・銀座『銀座 有涯』藤井亮悟さん作
柚子釜の柚子飯
自慢の自家栽培米「有涯米」を土鍋で炊き、柚子果汁をぎゅっと搾り入れたシンプルな柚子飯は、「新米ならではの美味しさをストレートに味わってほしい」との思いから考案。水分を残してつややかに輝く“煮えばな”から立ち上る、ごはんの甘やかな香りと柚子、薬味が渾然一体となった清冽な香りこそが、この料理の決め手だ。
「柚子釜に盛り込んだ熱い柚子飯と細切りの野菜や柚子皮を絡めて、熱でしんなりした食感や根菜などの土の香りを楽しんでもらえたら」と藤井さん。
野菜は“沢煮”をイメージし、できる限り細く切る
沢煮の野菜をイメージし、ゴボウや九条ネギなどはごく細く切る。ごはんの熱でしんなりした繊細な歯ごたえが、鮮烈な印象を残す。
「これだけでも美味しいですが、さらに柚子皮を加えることで、柚子釜と香りが重なり、より馥郁としたものになります」。
魚介などはあえて加えず、また蒸し直しもしない、できたてだからこその味わいが身上だ。
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