【レシピ付き】柚子釜の一品vol.1 大阪『高槻 天野』のセコガニの蒸し寿司
大阪・高槻の地で暖簾を掲げる日本料理店『高槻 天野』。店主の天野恵明さんは、心斎橋『懐石料理 桝田』で14年腕を磨き、2023年に故郷で独立を果たしました。地元愛に満ちた天野さんが今回の“柚子釜”に選んだのは、名産地・高槻産の黄柚子。そして合わせるのは、冬の恵み・セコガニ。「旬味が出会った瞬間の驚きを届けたい」と語る一品からは、柚子の香りと蟹の旨みが、湯気とともに立ちのぼります。
文:船井香緒里 / 撮影:東谷幸一
大阪・高槻『高槻 天野』天野恵明さん作
セコガニの蒸し寿司
天野さんが大切にしているのは、地元・高槻の無農薬野菜をはじめ、旬に忠実であること。日本料理の伝統を軸にしつつ、『懐石料理 桝田』で学んだ遊び心や意外性もコースに忍ばせる。
「柚子釜は、焼く・蒸す・和える……。あらゆる料理に使われますが、器として使うだけでは面白みに欠けます」。そう語り、関西の冬の風物詩“蒸し寿司”へと昇華。12月で禁漁となるセコガニを主役に据え、香りと旨みを掛け合わせた。
高槻・萩谷で育つ自然栽培の黄柚子を用いる

今回使う柚子は、高槻市・萩谷で、自然栽培で育った大ぶりの黄柚子。その実は、香りが濃く、熟しているため果肉が外しやすいのも特長だ。
「今回は皮だけを使います」。残った果肉は白味噌や卵黄と合わせて“柚子玉味噌”にしたり、辛子酢味噌に仕込み直して酢の物に使うこともあるという。 蒸すことで引き立つ柚子の香りを最大限生かすため、合わせる素材として選んだのが、濃厚な旨みを蓄えたセコガニだ。
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