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茶碗蒸しのレシピ-プロが教える基本からアレンジまで-

これからの季節、口にするとホッと温まる茶碗蒸し。WA・TO・BIでもこれまで、プロの料理人にさまざまなレシピを公開いただきました。その中から、特に人気の高かったものをピックアップ。基本的なものから、大阪の郷土料理・小田巻蒸しのアレンジ、牛テールだしを使ったもの、さらには鯖のへしこを使った“焼き”茶碗蒸しも! 5者5様のレシピをご紹介します。

文:川島美保 / 撮影:大山裕平

目次


南京茶碗蒸し——東京『銀座 小十』

東京『銀座 小十』の南京茶碗蒸し撮影/大山裕平

果肉が柔らかく甘みが強い北海道産のえびす南京を、蒸してから玉地と合わせて甘みとコクが豊かな茶碗蒸しに。具材の車エビは塩茹でして色味良くし、帆立貝柱はさっと表面を炙って、香ばしさと食感を強調。さらに蒸しアワビも加えて、ご馳走感を演出する。

卵はなるべく卵黄の割合が多いものを選ぶのが、コク深さを生むコツ。仕上げに吸地程度の塩梅にした銀餡をかけることで、味の輪郭を引き締めている。

▼南京茶碗蒸しのレシピの詳細はコチラ


茶碗蒸しうどん——京都『祇園にしむら』

京都『祇園にしむら』の茶碗蒸しうどん撮影/竹中稔彦

大阪の郷土料理・小田巻蒸しのようでそうではない、とろける食感が印象的な茶碗蒸し。「だしをいただく料理であるべき」という考えから、あえてカツオ昆布の二番だしを使用し、だし800㎖に対して卵5個とかなりゆるめの配合で作る。

鶏肉や椎茸の具材を網焼きしてから加えるのは、余分な脂や水分を落として香ばしさを生むため。中に入れるうどんは、秋田『佐藤養助商店』の「稲庭干饂飩(いなにわほしうどん)」。しなやかなコシと滑らかなのど越し、程よい太さがとろける玉地と絶妙に絡む。

▼茶碗蒸しうどんのレシピの詳細はコチラ


焼き茶碗蒸し——京都『お料理とお酒 ふくら』

京都『お料理とお酒 ふくら』の焼き茶碗蒸し撮影/竹中稔彦

鯖のへしこの熟成した塩味と香りを生かした、酒肴的茶碗蒸し。鯖のへしことは、塩漬けした鯖を、唐辛子や塩などを混ぜた米ぬかに長期間漬け込んで熟成・発酵させた発酵食品だ。

鯖のアラでとっただしを卵液のベースに使い、鯖のエキスが染みたぬか床を発酵バターと練り合わせて作った「へしこバター」で調味するという何とも無駄のないレシピ。さらに、蒸すのではなく炮烙鍋に流し入れ、グリラーで焼くというユニークな手法。その焼き方もかなり独特だが、詳細は誌面にて。

▼焼き茶碗蒸しのレシピの詳細はコチラ


牛テールの玉締め——京都『祇園 いわさ起(き)』

京都『祇園 いわさ起(き)』の牛テールの玉締め撮影/東谷幸一

二度以上茹でこぼしてから、昆布、ネギ・ショウガ、辛口の日本酒と共に、沸かさないよう6時間コトコトと炊いたクリアな牛テールだしを主役にした、シンプルながら贅沢感溢れる玉締め(茶碗蒸し)。味がくどくなりすぎないよう、牛テールだしは倍量のカツオ昆布だしでのばして使用。牛テールの存在感を強調するために、あえて具材は焼きネギのみに留め、たっぷりの黒コショウを振って味を引き締める。

たっぷり炊いた牛テールスープは大根の炊合せにしたり、白味噌仕立ての小鍋にしたりと多彩にアレンジが利くのも魅力だ。

▼牛テールの玉締めのレシピの詳細はコチラ


白子入り茶碗蒸し——大阪『さか本』

大阪『さか本』の白子入り茶碗蒸し撮影/福本 旭

裏漉ししたタラの白子を玉地に加えた、濃厚でミルキーな茶碗蒸し。白子は70~80℃の湯で下茹でしてから使うことで生臭さを取り除くのが重要だ。白子の他の具材は、百合根・銀杏・椎茸の定番を合わせ、スダチの酸を利かせたポン酢あんをかけて仕上げる。

タラの白子はフグの白子に替えても美味。フグの白子は臭みがないので、生のまま裏漉ししたり、ひと口大に切って具材にしてもいい。

▼白子入り茶碗蒸しのレシピの詳細はコチラ

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