「寄せ物」の人気レシピ
流し缶に、寒天やゼラチンなどの凝固剤を合わせた材料を入れ、冷やし固めて作る「寄せ物」。涼感ある見た目や、つるんとした喉越しなど、夏にこそ楽しみたい料理の一つです。「WA・TO・BI」でも、数々の寄せ物レシピを掲載。今回は、その中でもプロならではの技が光るものをピックアップしました。
夏の翡翠ゼリー——東京『日本料理 たかはし』
撮影/公文美和
贅沢で華やかなゼリー寄せ。具材には旨みがある毛ガニや車エビ、食感のいい新レンコン、オクラ、ワカメといった甲殻類や夏野菜を彩りよく散りばめ、ゼリー地は具材の存在感を際立たせるため気持ち薄めに調味し、硬めに仕立てている。仕上げにたっぷりの生ウニをのせて贅を演出し、トマトの実山椒煮を添えて。ピリッと爽やかで甘味もあり、いいアクセントになる。
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車エビと夏野菜 枝豆ゼリー寄せ——京都『瓢亭』
撮影/内藤貞保
枝豆、オクラ、パプリカ、白ズイキに車エビと、緑や赤の色合いが鮮やかで、先付にぴったり。夏野菜の味わいを際立たせるため、ゼリー地には枝豆の茹で汁と煎茶を同割で合わせたものを使う。食感や見映えを良くするため、凝固剤には寒天(ZR)とパールアガーの2種を用いて冷やし固めて。枝豆は昆布と塩で茹で、茹で上がってから塩を馴染ませるのが肝だ。
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毛ガニの養老寄せ——京都『研覃 ほりべ』
撮影/東谷幸一
見るからに毛ガニが主役の一品。寄せ地は粘りや甘みのあるつくね芋を滑らかになるまであたり、昆布だしでのばして塩のみで調味。ゼラチンを加えたら流し缶に並べたカニ身の1/3程度の量で隙間を埋める感覚で流す。
仕上げはやや薄めに塩梅したかけだしと振り柚子で。地漬けした岩茸とおかひじきを添え、完成だ。
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鱧の卵のゼリー寄せ——大阪『燗の美穂』
撮影/竹中稔彦
夏に食べることが多い鱧の、卵や骨、浮袋など、身以外の部分を活用した一品。寄せ地は焼いた中骨とトウモロコシの芯、真昆布からとっただし。下処理した卵と浮袋、新ショウガを合わせて調味し、ゼラチンを溶かして流し缶へ。トウモロコシを散らし、オクラを敷き詰めて冷やし固めたら、見た目にも清々しいゼリー寄せの完成だ。
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大阪もの寄せ 胡麻酢——大阪『味菜』
撮影/福本 旭
大阪産の食材をふんだんに使い、彩り良く仕立てた、その名も「大阪もの寄せ」。淀川しじみでとっただしをベースに、千両ナスを煮たり、オクラをペーストにしたり。セルクルにナスとゼラチンを加えた煮汁を入れ、シジミのむき身や蒸し焼きにしたトビアラを重ねたらオクラペーストをのせて冷やし固める。
器にゴマ酢を敷いて寄せ物を置き、天にオクラの種のペーストをのせて仕上げる。
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