佐々木 浩流、献立の立て方【前編】
京都『衹園 さゝ木』直営の『衹園 楽味』では、毎月「試食会」を行い、翌月の献立を決めます。カウンターには『衹園 さゝ木』店主・佐々木 浩さんが座り、弟子が試作した料理を試食。お客に出す料理にブラッシュアップするため、意見を真正面からぶつけます。その緊張感ある模様を2回にわたってお届けします。
ポイントは「デザイン」「ボリューム感」「売り文句」
2023年6月19日、午前10時30分──『衹園 楽味』の店内には、営業直前のような緊張感が漂っていた。
「準備いけてるか」「これ、盛り方変えた方がええんちゃう?」。スタッフ同士で声をかけ合い、その時を待つ。
『衹園 楽味』は『衹園 さゝ木』直営の「大人の居酒屋」。先付、造りの後、魚・肉・野菜のネタ箱が豪快に並べられ、どう調理するか、料理人とお客がやり取りをして決める。「おすすめ」の品書きから選ぶことも可能で、毎月中〜下旬頃、その「おすすめ」と先付の献立を決める試食会が行われる。2年目以上の料理人が1~3品ずつ用意し、佐々木 浩さんとスタッフ数人が試食。
この日に至るまでに『楽味』のスタッフで試食をし、改善を図ったものを披露するという。
今回、試食会に参加した『衹園 楽味』の料理人。上左/髙橋貴明さん。2015年入店で、煮方を務める。上右/水口直規さん。2016年入店で、焼き場を担当。下左/向板の堀越優希さんは、2022年入店。下中/千谷友哉さん。2021年入店。下右/西村泰知さん。2022年入店。
午前11 時00分──「おはよう!」。佐々木さんが入店する。娘で取締役の佐々木結花さん、その夫でソムリエの佐々木恭輔さん、『衹園さゝ木』仲居の杉本弥生さんも揃い、カウンターに着く。
「えー、今日は7月の献立の試食会やな。いつも言うてる通り、大事なんは第一印象を決めるデザイン、ボリューム感、そして、セールスポイントを明快に述べること。ほな、営業さながらによろしく!」。
試食したのは、佐々木さんのほか、左からソムリエの佐々木恭輔(以下:恭輔)さん、取締役の佐々木結花(以下:結花)さん、『衹園さゝ木』仲居の杉本弥生さん。
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