日本料理のことば

【おでんのレシピ】Vol.1 煮汁と具いろいろ

だしが利いた、関西風のおでん。ベースにはカツオや昆布のだしを用いることが多いですが、「辻󠄀調理師専門学校」竹本正勝先生に教わるのは鶏と野菜を使った、底味のしっかりしたもの。具の下準備をして、ものによっては先に煮てから鍋で合わせるという、炊合せ感覚の上品な一品です。今回は、おでんの煮汁と、比較的簡単に下準備できる具のレシピをご紹介。Vol.2では大根と海老丸(がん)、Vol.3ではひろうすとロール白菜、薬味のレシピをご紹介します。

聞き書き:阪口 香 / 料理制作:「辻󠄀調理師専門学校」竹本正勝
撮影:東谷幸一 / 協力:辻󠄀調理師専門学校

目次


おでんだしは鶏と野菜から“キレイに”とる

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おでんだしというと、カツオ昆布だしが一般的かと思います。ですが、練り物や牛スジ肉、タコに野菜など、多彩なものを入れる場合は、鶏のしっかりした旨みで底支えした方がいいと思います。

「煮込めば具からいいだしが出て…」とおっしゃる方もいますが、煮すぎると煮汁の色がにごりますし、具の持ち味が外に逃げてしまうことにもなります。そのためにも、旨みがしっかりしただしをとって調味料で味を調え、具ごとに必要な時間煮てから大きな鍋で合わせるという、炊合せ感覚で作る方が食材も生きると思います。

おでんだしに使うのは、鶏ガラと丸鶏。鶏ガラだけだとあまりいいだしが出ないので、丸鶏で味をしっかり出します。他にも、煮干しや爪昆布で旨みを補強、甘みがあった方がいいので、キャベツや玉ネギ、ニンジンなどの野菜と一緒に煮込みます。

煮込んでいると、アクがたくさん浮いてきます。澄んだ煮汁に仕上げたいので、小まめに取り除きます。アクが減ってくるタイミングで、鶏の脂が浮いてきます。放っておくと白濁してしまいますので、こちらもしっかり取り除きましょう。おでんだしを作る上で、一番のポイントだと思います。

今回、具に選んだのは、上写真右上より時計回りに、タコ、牛スジ、結び昆布/ロール白菜、湯葉、海老丸/焼き豆腐、こんにゃく、大根/ひろうす、さつま揚げ、里芋、玉子、春菊です。ご覧の通り、色味鮮やかで形もいろいろ。見た目にも楽しいかと思います。

Vol.1ではおでんの煮汁の他、比較的調理工程がシンプルなタコ、牛スジ肉、結び昆布、湯葉、焼き豆腐、こんにゃく、さつま揚げ、玉子、春菊のレシピを紹介。
Vol.2では大根と海老丸、Vol.3ではひろうすとロール白菜、薬味のレシピをご紹介します。

▼おでんの言葉のはなしはコチラ
▼おでんの大根と海老丸のレシピはコチラ
▼おでんのひろうすとロール白菜、薬味のレシピはコチラ

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