仕込みで差がつく! スピード酒肴レシピ

【レシピ付き】明石のソウルフード・焼き穴子を使った『播州地酒 ひの』の和え物

食材を切っておいて、注文後に和えるだけ。調味料は一切なし! そんなスピード酒肴をご披露くださったのは、兵庫・播州(ばんしゅう)の地酒を豊富に揃える居酒屋『ひの』店主の日野 明さんです。出身地・明石のソウルフードである焼き穴子を軸に、食感や香りのある野菜を取り合わせて。味の決め手となるのは、馴染みある、あの漬け物でした。

文:阪口 香 / 撮影:太田恭史

兵庫の日本酒といえば、西宮~神戸の「灘五郷」が有名。その西に位置する播州(播磨:はりま)※は、酒米の王者・山田錦の発祥地であり、生産量も全国の6割を占めるというだけあって、質の高い酒が造られている。

※播州(播磨)とは、西は赤穂市、赤穂郡辺りから東は明石市辺り、北は宍粟(しそう)市、神河(かみかわ)町、西脇市辺りを指す。

店主・日野 明さんの出身地も播州エリアの明石。地元の美味い酒を発信したいと、店では播州地酒を中心にラインアップする。「今、ぜひ飲んで欲しいのが『播州一献(ばんしゅういっこん)』や『龍力(たつりき)』、『来樂(らいらく)』、『盛典(せいてん)』、『奥播磨』、『雪彦山(せっぴこさん)』……いっぱいあります! どこも若手が中心になって頑張ってる蔵なんですわ」。地酒話に花を咲かせつつ、瀬戸内海で獲れた伝介穴子の蒸しものや「播州おでん(ショウガ醤油で食べる「姫路おでん」の『ひの』バージョン)」など、播州らしいアテと共に楽しむお客が多い。

ソウルフード・焼き穴子を軸に構成した和え物

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今回披露していただく和え物も、明石で馴染み深い、焼き穴子を軸に考えられたもの。

「ソウルフードなんですよ。街のそこらじゅうに焼き穴子屋があって、僕も子ども時分に親父が買って帰ってくると喜んでましたね」。

明石沖を含む淡路島近海は穴子の名産地として知られ、明石浦漁協では良質な穴子が水揚げされる。近所の寿司屋では、穴子を主役に大葉やゴマを合わせた棒寿司や、椎茸を上にのせた箱寿司が名物。「穴キュウ」(穴子とキュウリ)、「穴シン」(穴子と新香※漬け物全般のことだが、ここではタクアンのことを指す)も巻き物として定番だったという。

「“地の味”として馴染んでいたものを取り合わせたい」。そこで、焼き穴子の供に選んだのはキュウリやゴマ、大葉など。「中でも、味の決め手になるのがタクアンです。焼き穴子が甘い味付けなので、タクアンも甘い方がまとまりもいい。和歌山の『紀の川漬け』を合わせても美味しいのですが、見た目のアクセントになるのと、慣れ親しんだ味わいにしたいので黄色いものを選びます」。

キュウリや穴子より、1.5~2倍ほどの量を加えるのもポイント。和えるだけで味が決まるし、食感のアクセントにもなる。

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