「祇園さゝ木」一門会、師弟セッション

【レシピ付き】Vol.8 前編 テーマは「ご飯物」。お粥と豆腐に込める師匠の想い

人気割烹『祇園さゝ木』店主の佐々木 浩さんと、その薫陶を受けた弟子たちによる、会席の品書きがテーマの師弟セッション。「ご飯物」がテーマの第8回目は、『祇園 楽味』の料理長・水野隆弘さんを迎えて。まずは師匠が、米と豆腐というシンプルな素材を軸に、肌寒いこの時期ならではの気遣いで心温まる一品を提案。ご飯物における四季ごとの『さゝ木』イズムを伝えます。

文:船井香緒里 / 撮影:高見尊裕
佐々木 浩さん(『祇園 さゝ木』店主)

1961年、奈良県生まれ。前衛的な味と軽妙な話術で場を盛り上げるカウンターの名手。1997年の開店以降、その独創性で脚光を浴び、2006年現在の地に移転してからはいよいよカリスマ性を発揮。個性豊かな料理人を育て、「一門会」は人気店主の集まりに。

水野隆弘さん(『祇園 楽味』料理長)

1980年、岐阜県生まれ。「名古屋東急ホテル」の和食店での修業を経て、25歳の時、『祇園 さゝ木』の暖簾をくぐる。2016年、36歳で『祇園 楽味』の料理長に抜擢。ネタ箱に並べられた、旬食材の中からお客が好みの素材を選び、対話の中から調理法を提案する。佐々木さん曰く「彼は、不器用な人間。根はほんまに真面目で、とことん料理を突き詰めるタイプやね」。

肌寒い晩秋、身体を労う「うずみ豆腐」という気遣い

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佐々木 浩(以下:佐々木)
ついに師弟セッションも終盤に差し掛かってきたな。水野、今日は頼むで。
水野隆弘(以下:水野)
おやっさん、よろしくお願いします。
コース料理の『祇園 さゝ木』とは違い、単品が主の『祇園 楽味』らしい料理をご提案できればな、と。
まずは、おやっさんの「ご飯物」に対するお考えを知りたいです。
佐々木:
うちのコース料理の場合、ご飯物に差し掛かるまでは酒肴が続く。せやから、最後のご飯物では、季節に寄り添いつつ、いかにお客様の心をほぐしてあげるかが重要やな、と。
水野:
11月ならではの仕立てということですね。
佐々木:
そうや。11月初旬といえば晩秋。木枯らしが吹く寒い時期なので、お腹の底から温まっていただきたい。
そんな想いを込めたご飯物、「うずみ豆腐」をご用意しました。角切りにした絹豆腐をお粥に忍ばせています。上にのっているのは新物の自家製カラスミです。どうぞ、お召し上がりください。
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