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【レシピ付き】鮎料理 Vol.1 京都『ユキフラン佐藤』の鮎寿司

京都・祇園にある『ユキフラン佐藤』は、店主・佐藤功一さんが一人で営む和食店。「コースの献立に決まりはなく、その日の温度感をふまえた即興も多いですよ」と佐藤さん。鮎ならば定番の塩焼きをあえて封印し、鮎のふくよかな身と青柚子の香りを生かした姿寿司に。湿度や気温が高くなるこれからの時季にぴったりの、さっぱりと味わえる一皿に仕立てます。

文:船井香緒里 / 撮影:高見尊裕

目次


京都『ユキフラン佐藤』佐藤功一さん作
鮎寿司

「この時季、鮎の塩焼きは和食店で見かけることが多いので、ウチではあえてお出ししませんね」。そう話す佐藤さんは、夏と秋で仕立てを変えて提供するという。「夏はさっぱりと味わっていただける一品に。暑さが緩む秋になれば、鮎をタレ焼きにして、梨の酢漬けを添えます。大切にしているのは、身体が少し欲しているな…という感情に寄り添う味づくりです」。

夏の「鮎寿司」は、佐藤さんが祇園の料理屋『喜多八』で食べた、小鮎の焼き寿司からインスピレーションを受けて考案。鮎の美しい姿はそのままに、青柚子の香りや、内臓のほろ苦さを生かした、抑揚のある一皿に仕立てる。

炭焼きで鮎の旨みと香りを生かす

「鮎は小さすぎず大きすぎず、約40gのサイズのものを活けで仕入れます。シャリを合わせた際の、口中でのほどけ具合がちょうどいい」。

ふり塩をして、炭火で焼き上げるまでは鮎の塩焼きと同じ工程。紀州備長炭で焼き上げたなら、鮎の腹側にペティナイフを入れ、内臓と中骨を取り出す。

「鮎の姿寿司」から連想する“酢締めの鮎”をシャリに合わせない理由は、「この時期、鮎の塩焼きを期待されるお客様も多いと思います。あの炭で焼いた美味しさも感じていただきたいですし、逆に“塩焼きを食べたい”と思わせないような、新たな鮎料理を作ることができたらいいなと」。

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