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【レシピ付き】夏野菜の冷製 Vol.3 金沢『日本料理 東山和今』の白玉蜀黍豆腐

金沢『日本料理 東山和今』店主の今井友和さんが考案した「白玉蜀黍豆腐」は、蒸し暑い夏のコースの序章にぴったりな先付け。フレッシュなフルーツを思わせるシロトウモロコシの素材を活かし、みずみずしく透明感のある味わいに仕上げた葛豆腐です。宝石のようなシロトウモロコシの一粒ひと粒に施す繊細な手仕事が、さらりと清々しい甘さと口当たりで涼を届けてくれます。

文:坂下有紀 / 撮影:田中祐樹

目次


金沢『日本料理 東山和今』の今井友和さん作
白玉蜀黍豆腐

食材に恵まれた金沢の地で、地産の旬な食材を使用して少量多皿のコースを提供する『日本料理 東山和今』。店主の今井友和さんは、食材の持ち味を引き出しながら驚きのある料理を提供する。今回紹介する「白玉蜀黍豆腐」は、昨夏に先付けとして提供し、好評だった一品だ。

この料理には、今井さんが惚れ込んだシロトウモロコシ「ピュアホワイト」が使われている。「ピュアホワイトは甘さがしつこくなく、みずみずしく澄んだ味が特徴です。葛豆腐に仕立てると、見た目は大豆から作った豆腐のように白いのですが、口に含むとまるで別物。食べたときのギャップも楽しんでいただきたいです」と今井さん。器も白磁などを用いて、全体を白でまとめている。

幻のトウモロコシ「ピュアホワイト」

ピュアホワイトは真珠の粒のような純白の実が特徴で、ホワイト系スイートコーンのなかでも「スーパースイート系」に分類される甘さが際立つ品種。収穫タイミングによる変動はあるものの、平均して糖度17〜18度と完熟したメロンや桃よりも甘く、収穫の際には糖分で手がベタつくほどだという。

粒皮が薄いのも特徴で、茹でずに生で食べることもできる。しかし、その粒皮の薄さゆえに実が破裂しやすく、栽培が難しいため「幻のトウモロコシ」の異名を持つ入手困難な品種となっている。

「一般的な黄色いトウモロコシでも作れますが、こっくりと濃厚な味わいに仕上がり、夏には少し重い印象です。ピュアホワイトは糖度が高くてもしつこくなく、さらりとした後味のよい甘さで、この白玉蜀黍豆腐には欠かせない食材です」。

トウモロコシは新鮮であるほど糖度が高く、収穫から24時間が経過すると劣化が始まり、甘さと一緒に栄養価が半減するといわれる。栽培農家の多くが夜明け前から収穫を行うのも、夜間に蓄積される糖分が損なわれないようにするためとか。日頃から地産地消で食材を仕入れる今井さんも、とりわけトウモロコシは鮮度にこだわり、希少なシロトウモロコシはようやく見つけた最短距離の生産地、富山県入善町から仕入れている。

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