【レシピ付き】トマトを使った料理 Vol.3 東京『KOMB』
2022年にオープンした『KOMB』は、東京・神楽坂の路地に佇む、カウンター10席の和食レストラン兼アトリエです。食を通じて季節のゆらめきや移ろいを感じ、自然が織りなす美しさや豊かさを楽しめるように。そんな願いを込めた店名は、和食の礎ともいえる「昆布」の意。昆布だしが際立たせる旬の食材の鍋をコースに組み込み、目の前で仕立ててライブ感も楽しませます。店主の原田アンナベル聖子さんが夏の鍋に選んだのは、「焼きトマトとしじみの豚しゃぶ」。自家製の薬味にもご注目を。
東京・神楽坂『KOMB』原田アンナベル聖子さん作
焼きトマトとしじみの豚しゃぶ
和食ならではの季節感やおもてなしを大切にする『KOMB』では、「はじめの一杯」としてお茶を点てる。今の時季なら新茶に始まり、旬の野菜や魚介を駆使した先付、前菜、お椀、酢の物、焼き物と続いた後、締めの土鍋ごはんの前に、必ず季節の鍋を供する。
「開店した時はちょうど花山椒の時季で、牛しゃぶの鍋をお出ししたら、皆さん喜んでくださって。それからずっと鍋をお出ししています。冬は能登の猪や香茸、雉(キジ)鍋だったり、ブリしゃぶだったり。先月は羊と山菜の鍋でした」と店主の原田さん。
暑さが本格的になる季節には深みのあるだしに、シジミ、トマト、赤万願寺唐辛子を加えて、脂身が美味しい沖縄の「あぐー豚」をしゃぶしゃぶに。スープの中に焼きトマトのエキスが溶け出し、柔らかな酸味が心地よい夏らしい爽やかな鍋に仕立てている。
トマトは焼いて味を凝縮させる
トマトは表面を炭火でこんがり焼いてから、皮をむく。このひと手間で、トマトの甘みがぐっと増し、適度に水分も飛ぶことで、持ち味が凝縮する。
「だしの中でさっと煮て、焼きトマトの風味をだしに加えます」。
グルタミン酸が豊富なトマトは、和食の世界でも近年、だし素材としても用いられる。その豊かな旨み、甘みだけでなく、酸味が加わることで、だしの後口が爽やかになるという。
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