特集

【レシピ付き】初夏の造りの新提案 Vol.3 大阪『柳田゛』

「魚の熟成とタレの燻製香で、相乗効果を狙います」と話すのは、大阪・北新地にある割烹『柳田゛』店主の柳田浩一郎さん。1週間近く寝かせた白甘鯛に合わせるのは、自家製の燻製生カラスミです。重湯で粘度あるタレに仕上げ、重層的な味わいを楽しませます。

文:船井香緒里 / 撮影:東谷幸一

大阪『柳田゛』柳田浩一郎さん作
熟成白甘鯛 燻製生カラスミの重湯だれ

「おまかせコースのお造り3品は、相性が良いタレを添え、一品ずつ小皿で提供します」と柳田さん。例えば、数日寝かした剣先イカには「塩とワサビを添え、カタクリの花のピンク色を生かした、スダチ風味のだしで爽やかに味わっていただきます」。サワラの炙りは、ポン酢ジュレをかけ、大根の鬼おろしとネギ坊主の花をアクセントに。また、甘鯛昆布〆は、昆布だしの旨みをしっかり利かせた醤油で。「今日は暑いな、と思ったらさっぱりとした味わいに仕立てるなど、即興で変えています」とにこやかな表情を見せる。

自家製のレアなカラスミをタレに

今回ご考案いただいたのは、燻香を付けた自家製カラスミを使った造りダレ。この時季、定番で供する熟成させた白甘鯛と合わせるという。

「燻製したカラスミを干す際、太陽光には当てません。冷蔵庫の中で1週間かけて乾燥させることで、色は薄くレアな質感に仕上げます」。薄くスライスすれば、ねっとりと舌に絡み、柔らかな燻香とまるい塩味が印象的。下ごしらえの際に、少量の薄口醤油を加えているため、風味も良い。「アテというイメージが強いカラスミですが、なめらかでレアな質感を生かし、造りダレにできないか」と柳田さんは考えた。

この記事は会員限定記事です。

月額990円(税込)で限定記事が読み放題。
今なら初回30日間無料。

残り:1835文字/全文:2497文字
会員登録して全文を読む ログインして全文を読む

フォローして最新情報をチェック!

Instagram Twitter Facebook YouTube

この連載の他の記事特集

無料記事

Free Article

おすすめテーマ

PrevNext

#人気のタグ

Page Top
会員限定記事が読み放題!

月額990円(税込)初回30日間無料。
※決済情報のご登録が必要です