【レシピ付き】雛祭りの一品Vol.3 京都『料理屋 まえかわ』
「桃の節句といえばハマグリの吸い物ですが、直球すぎても芸がないでしょう?」と微笑む、京都・西木屋町の『料理屋 まえかわ』店主の前川浩一さん。椀種に選んだのは、なんと桃饅頭。見た目の美しさはもちろん、中にハマグリ真丈を忍ばせることで、食べ進めると潮汁のような味わいに。吸い口には黒胡椒。自由奔放な前川さんの遊び心満開な弥生の椀物です。
文:船井香緒里 / 撮影:ハリー中西
京都・西木屋町『料理屋 まえかわ』前川浩一さん作
桃饅頭 蛤真丈射込み 薄葛仕立て
『祇園 さゝ木』での修業時代、「女性のお客様が多いランチタイムに、行事食をお出ししていました。桃の節句であれば、ハマグリのだしの旨みを生かした椀物や、菱餅仕立てのちらし寿司…」と、当時を懐かしむ前川さん。独立後、久しぶりに「雛祭り」をテーマに、ハマグリを用いた料理を考案。「ハマグリといえば吸い物のイメージが強いですが、それだと面白みに欠けます。ウチらしい驚きを楽しんでいただきたいから」と、桃饅頭を椀種に据えた。
ハマグリ真丈を桃饅頭の中に忍ばせて
「椀種は、鴨肉を射込んだ百合根饅頭からヒントを得て」と、発想は至ってベーシック。蒸して裏漉しした大和芋と、水で練った白玉生地を合わせて捏ね、饅頭の生地とする。一方、白身魚のすり身、茹でたハマグリの身とそのだしを混ぜ合わせてハマグリ真丈としたなら、先の生地で包み込む。色粉でうっすらと色付けした後、スチームコンベクションで蒸し上げ、麗しい桃に見立てた。
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