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【レシピ付き】大根が主役の一品 Vol.3 大阪『和洋遊膳 中村』

玉ネギのソテーに見立てたビジュアルにして、「大根グラタン」という名のギャップ。大阪・心斎橋『和洋遊膳 中村』店主の中村正明さんが考案した一品は、奈良・月ヶ瀬にある自家農園で採れた、青首大根が主役です。「風呂吹き大根、田楽味噌をどちらも大胆にアレンジしてみました」という一皿。しかも、グラタンのソースの材料以外はすべて大根という潔さ。中村さんらしい和魂洋才の発想、随所に。

文:船井香緒里 / 撮影:東谷幸一

大阪・心斎橋『和洋遊膳 中村』中村正明さん作
大根グラタン

浪速割烹の伝統を受け継ぎ、和洋の技を生かした味づくりに定評のある『和洋遊膳 中村』。店主の中村さんは、奈良・月ヶ瀬に自家農園を持ち、根菜からサラダ菜まで四季を通して数多の野菜を栽培。毎週の畑通いを欠かさず「先日はうちのスタッフが、大根の間引き菜を、ご近所の『㐂川(きがわ)』一門の料理屋に配り歩きましたよ」と微笑む。

今回の主役、丸々と肥えた青首大根は「耐病総太り」という品種で、病気に強く、肉質も上々だそう。20年以上も前から、フォアグラ大根など、和洋の妙味を提唱してきた中村さんは、「今回、ソース以外の食材は、大根しか使いません」ときっぱり。「大根の“生・焼・煮・揚”を、一皿の中で表現したい」と、「大根グラタン」に辿り着いた。

大根を玉ネギに見立てて、遊び心を演出

まずは、「煮る」と「焼き」の加熱を施す、大根ステーキ。2cm幅に切った大根は、断面を彫刻刀で飾り切り。米の研ぎ汁で湯がき、薄めの八方地で含め煮に。その一切れをフライパンで焼き上げると……。「見た目は玉ネギなのに、食べると大根!? って面白いなと。実は『㐂川』の大親父(上野 修三氏)のアイデアです(笑)。料理のどこかに遊び心を持ってきたい」と話す、中村さんらしい演出だ。
一方、飾り切りで出た切り端は「生」のまま活用。塩麹に漬け、昆布で挟み「大阪漬」とした。

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