教えて!英語で伝える“和食”

【12月】こんな時、英語でなんと言う?

気温がぐっと下がり、魚介や野菜がいっそう美味しさを増す12月。土瓶蒸しやひれ酒、カニなど、日本ならではの料理やお酒の魅力を海外の方に伝えるには、どうしたらいいのか。また、冬至の習わしや年越し蕎麦といった食文化を、どのように説明すれば理解が深まるのか。さまざまな疑問を解決すべく、『京料理 たか木』の髙木一雄さんに伺い、英語での伝え方のコツを教えていただきます。さらに、海外の方が聞くと喜ぶ情報や、会話が弾むヒントもご紹介します。


髙木一雄さん:1972年、大阪生まれ。料理教室を営む母の影響により、料理の道へ。大学在学中に老舗料亭『大和屋』で修業を始め、『京大和』でさらに研鑽。2005年、兵庫・芦屋に『京料理 たか木』をオープンする。バンコクやモルディブの日本料理店の監修や、海外や国内のシェフとのコラボ、商品開発なども積極的に手掛ける。イギリス留学の経験もあり、柔軟で、ワールドワイドな視点の持ち主。

文:奥田眞子

目次


「無病息災」はどう説明する?

質問者
12月は冬至があり、柚子釜の料理を提供して無病息災を願いますが、この「無病息災」って、「Good health」で通じるものでしょうか?なんとなくニュアンスが違うような気もして…。
髙木
「息災」というのは「病や災いを防ぐ」を意味する、仏教に由来する言葉なので、「Good health」だけでは伝わりづらいかと思います。
英語なら、病気や災いなしで生きていくことを願うという意味で、「In Japan, people eat Yuzu on Touji, wishing to live without disease .」と言ってあげるといいですね。
「Good health」を使うなら、「In Japan, people eat Yuzu on Touji, wishing to keep health good.

また、僕的には冬至というと、柚子より「ん」の食べ物を使った料理を提供するイメージです。 江戸時代に冬至には柚子風呂に入る習慣が生まれたため、冬至といえば柚子釜になっているのかもしれませんが、関西ではもともと冬至に南瓜、蓮根、人参など「ん」がつく食材を食べますね。「ん」は「運」を呼び寄せるとして縁起がいいとされています。

<補足>
武士に由来する江戸文化と、関西の公家文化では認識が異なっていることもありますが、柚子風呂も、「ん」がつく食材も、健康を願った風習には変わりないかと思います。

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