【5月】こんな時、英語でなんと言う?
5月は目玉となる旬食材が少なくなる端境期ですが、初ガツオや豆類などが旬味として楽しまれ、また、端午の節句を迎えて料理にさまざまな趣向が凝らされます。4月から大阪万博も開幕し、訪日外国人はさらに増える見込み。日本の食材や伝統的な文化を知ってもらえる絶好の機会です。5月にまつわる質問を中心に『京料理 たか木』の髙木一雄さんに投げかけ、いかに英語で説明するといいのか、お教えいただきます。
髙木一雄さん:1972年、大阪生まれ。料理教室を営む母の影響により、料理の道へ。大学在学中に老舗料亭『大和屋』で修業を始め、『京大和』でさらに研鑽。2005年、兵庫・芦屋に『京料理 たか木』をオープンする。バンコクやモルディブの日本料理店の監修や、海外や国内のシェフとのコラボ、商品開発なども積極的に手掛ける。イギリス留学の経験もあり、柔軟で、ワールドワイドな視点の持ち主。
文:奥田眞子
初ガツオの良さをどう伝える?
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質問者
- 初夏に旬を迎える初ガツオと、秋の戻りガツオ。秋なら、「初夏のものより脂がのってる」「身がもっちり」とプラス面を伝えやすいのですが、初ガツオはそれに比べると「あっさり」。おそらく、海外の方は味が濃厚な魚のほうが好みだと思うのですが、初ガツオの味わいが好印象になるようお伝えするには、どうしたらいいでしょうか。
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髙木
- 海外の方が濃厚な魚を好まれるのは、わかりやすい味だからです。
初ガツオの味わいを説明しても良さは伝わりにくいので、「初物」にポイントを置くのがいいかもしれません。
「初物」という考え方は日本独自なので、そのシーズンで初めて食べるもの=「Season’s first produce」というのが一番伝わりやすいでしょうか。
カツオだけでなく、そもそも日本では初物を食べるのが好まれる=「In Japan, it is popular to eat the season’s first produce.」と教えてあげるのがいいと思います。
理由としては、初物には生命力があるため、食べると長寿や健康をもたらすと考えられている=「Season’s first produce is believed to bring long life and good helth」からですね。
<補足>カツオだと、海外の方には藁焼きが人気ですね。調理シーンは迫力もありますし、目の前で見せてあげると喜んでいただけます。
また、カツオをつけるポン酢もとても人気があります。「Ponzu」という言葉も海を渡って、浸透してきていますね。
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