箸休め WA・TO・BIこぼれ話

京都市限定販売の“生”ボトルティーが登場!

文:阪口 香

まるで洋酒? と、見まがうオシャレなボトル。

京都・御所東のティーサロン『冬夏(とうか)』が手掛けるボトルティー「冬夏青青(とうかせいせい)」が9月より販売開始となり、その試飲会に参加してきました。

かねてより『冬夏』では、無農薬無化学肥料で栽培するお茶農園の中でも、畑ごとに味わいを吟味し、厳選した茶葉を扱ってきました。サロンでは、敷地内の湧き水を使い、お茶の製法や施肥の有無、味わいの個性によって淹れ方を変えて提供しています。

「味わいのクオリティーを保ちつつ、もう少し多くの人に楽しんでいただけたら」——代表・奥村文絵さんの想いを叶えたのが、ボトルティーでした。「日本茶の概念を変える、最高位のノンアルコールドリンクとして楽しんでいただきたいんです。だから、扱っていただく方も“プロ”に限定しました。飲食業や宿泊業、スパ、ウェディング…。お会いして用途を伺い、最適な一本をお届けします」。注文できるのは、京都市内に店を構えるオーナーに限定。賞味期限は未開封の状態で製造日から10日。まずは奥村さんの目の届く範囲で、確かな味を届けたいと考えています。

小さな自社工場を構え、非加熱製法で鮮やかな香りと繊細な茶味を抽出、厳密な温度管理を行っています。使用するボトルは、京都の酒どころ・伏見の「洗瓶」という慣習にならい、洗浄してリユース。伏見で唯一残る老舗洗瓶会社『吉川商店』に委託しています。

現在、発売しているのお茶は3種。
各ボトルには、茶種や品種、産地や農法に加え、奥村さんやスタッフが飲んだ時に感じた五味を記載。ユニークな表現も混じっていて、面白いです。

「kamairi_minakaori_2022」——緑茶・釜炒茶、宮崎県五ヶ瀬地区産、375㎖
甘味<うぐいす豆、とうもろこし、さつまいも、炊きたてご飯>
渋味<筍、ほうれん草、根っこをかじったような>
旨味<きのこ、枝豆、アーモンド、バタークリーム、チーズ>
苦味<追いかけてくる柑橘の気配、ししとう、はっさく>
酸味<みかんの皮>

「sencha_zairai_2022」——緑茶・煎茶、滋賀県朝宮地区産、375㎖
甘味<みずみずしい若い梨>
渋味<ごぼう、くるみ、ほうれん草、密やかなるコショウ>
旨味<昆布出汁、豆、たけのこ、豆腐>
苦味<カカオ、にがり>
酸味<遠くにヨーグルト>

「sencha_asatsuyu_2022」——緑茶・煎茶、滋賀県朝宮地区産、375㎖
甘味<ツツジ、みりん、さつまいも、でんぷん質のふくよかさ、透明感>
渋味<わずかに遠く>
旨味<カシューナッツ、アーモンド、昆布、海苔、シルキーな、油揚げ>
苦味<うっすらとレタス、ししとう>
酸味<奥の方にさわやかなヨーグルト>

グラスに注ぐと、清らかな黄金色。香りや味わいは温度の変化・空気へ触れることによってみるみる表情を変えます。高級ワインのような高貴さがあり、食中茶としてだけでなく、もてなしの一杯や茶菓と共に提供するにも向きます。

注目は、1本から、単発でも可能。

11月19~21日の3日間は、モダンネパール料理で注目される東京・中目黒『ADI』のシェフ、アディカリ・カンチャン氏を招いて、「お茶を味わうための料理、料理を味わうためのお茶」を提供するイベント「TEA Inspirations」を開催。詳細は公式HP・Instagramから。ぜひ、参加してみてはいかがでしょうか。

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