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【レシピ付き】5月の和え物 Vol.1 東京『たく庵』

豊富な一品料理と選りすぐりのお酒、居心地の良さで人気の和食店『たく庵』。旬のお造りをはじめ魚・野菜・肉料理、食事まで充実したお品書きの中でも、印象に残るのが季節の和え物です。白和え、辛子和え、ゴマ和え、ラー油和えなど種類の多さに加えて、「のらぼう菜と鯨の辛子和え」「インカの目覚めのポテトフライ ふきのとう和え」といった組合せの妙にもセンスが光ります。
評判の季節のフルーツの白和えは、「デザートにならないように、甘みと酸味のバランスを考え、酒肴に持っていく」という店主・小原卓也さん独自の工夫が冴える一品。今回は、リンゴと菜花を使った白和えをお教えいただきます。

文:瀬川 慧 / 撮影:海老原俊之

東京・四ツ谷『たく庵』小原卓也さん作 
りんごと菜花の白和え

「和え物は、食材と食材を合わせて美味しく食べてもらうための料理だと思っています。具材の味を楽しんでもらうことが大事で、和え衣はそれに寄り添うように考えます」と小原さん。今回の「りんごと菜花の白和え」も、食感のバランスと相性を考えて2つの素材の割合を決め、衣には木綿豆腐よりもまろやかな仕上がりになる絹豆腐を使用。隠し味にクリームチーズを入れてコクを加え、アクセントに粗く潰した黒コショウを振ってピリッと仕上げる。とはいえ、出来上がりは洋風ではなく、むしろ日本酒に寄り添う和のテイストに針が振れる。

デザートではなく酒肴。リンゴはジンで炊く

まろやかな和え衣と一体になるよう、リンゴは甘みを抑えて味に深みを出す、蒸留酒のジンで煮る。今回は菜花との相性を考え、少しだけショウガの搾り汁を加えて風味をプラス。完全に水分がなくなるまで煮詰めているため、アルコール分は飛び、優しい甘みと心地よい苦味だけが残る。このままで、つまみにもなる仕上がりだ。
「蒸留酒のジンは植物系のフレーバーしか入っていませんから、素材の味をジャマしないんです」。キンカンも同じようにジンで煮ると美味しいという。菜花のほか、パンチのある野生のクレソン、酢ゴボウ、完熟していないイチゴと合わせてもいい。

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