世界No.1フーディー浜田岳文×和食を“変える”料理人

愛知『橦木町 しみず』清水陽介編。Vol.1 常に料理をブラッシュアップする

2022年、愛知県名古屋市に日本料理店『橦木町(しゅもくちょう) しみず』を構えた清水陽介さん。大阪と岐阜で計17年修業を重ね、その経験を生かした店は常に予約困難となっています。今回から数回にわたってお届けする“世界No.1フーディー”浜田岳文さんとの対談では、浜田さんが特に魅了されている点、清水さんの修業先の話、特に思い入れが強い川魚の話などを展開。普段、写真NGでベールに包まれた料理写真にも注目です!

文:阪口 香 / 撮影:岡森大輔

目次

浜田岳文さん(「株式会社アクセス・オール・エリア」代表)

1974年、兵庫県宝塚市生まれ。米国・イェール大学卒業(政治学専攻)。大学在学中、学生寮の不味い食事から逃れるため、ニューヨークを中心に食べ歩きを開始。卒業後、本格的に美食を追求するためフランス・パリに留学。南極から北朝鮮まで、世界約128カ国を踏破。一年の5カ月を海外、3カ月を東京、4カ月を地方で食べ歩く。「OAD Top Restaurants」(世界規模のレストラン投票システム)のレビュアーランキングで2018年度から7年連続で1位を獲得、国内外のメディアで食や旅に関する情報を発信している。2024年、自身初となる著書「美食の教養 -世界一の美食家が知っていること-」(ダイヤモンド社)を出版。

清水陽介さん(『橦木町 しみず』店主)

1984年、岐阜県・郡上八幡生まれ。小学生の頃に「祖母においしい料理を食べさせてあげたい」という気持ちが芽生え、料理人を志す。高校卒業後、「辻󠄀調理師専門学校」で日本料理を学び、大阪・法善寺横丁にある日本料理『本湖月』で11年、岐阜市の『たか田八祥』で6年間修業を積む。2022年1月、名古屋で独立。懐石料理の基本を大切にしつつ、自分にしか作れない料理をコースに組み込む。岐阜や愛知の食材を中心に用いている。

チャレンジングな料理をコースに組み込む

浜田:
2022年に開業されてから何度かお伺いさせていただいてますが、すっかり予約の取れないお店になりましたね。
清水:
けっこう小心者なのでプレッシャーもありますが、目の前のことに誠心誠意を尽くして取り組んでいます。
浜田:
人気の理由は調理技術や発想、あしらいや器、設えを通して歳時を伝える心、清水さんの人となりや岐阜や愛知の豊かな食材を多く取り入れていることなど、お客によってさまざまで複合的だとは思うのですが。
僕としては「常に当たり前を疑い、より良い料理にするには」ということに力を注いでいらっしゃるところが第一に素晴らしいと思っています。
清水:
ありがとうございます。 献立は茶懐石に通ずる日本料理の基本に忠実に。うち一品、二品は冒険というか、チャレンジングな品を盛り込んでいます。その中で、「より美味しく」を自分なりに追求することは心掛けていて。
以前、浜田さんからそのことをお伝えいただいていたので、今日、ぜひ召し上がっていただきたいと思って用意したお料理があります。さっそくですが、初夏の先付をどうぞ。

料理は5月の先付。樂 六代・左入造 柏皿(本歌)に、端午の節句にちなんだ菖蒲かさねの会敷と菖蒲刀をのせて提供。

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