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【レシピ付き】“揚げない”山菜料理 Vol.1 東京『銀座 奥田』

四季折々の吟味された旬の食材が楽しめる『銀座 奥田』は、カウンター8席、個室3室の落ち着いた日本料理店。連載「『銀座 小十』のエスプリ」でもおなじみの奥田 透氏監修のもと、宮原 瞬料理長が季節の懐石料理に腕をふるいます。今回の「ホタルイカと春雨の春菜鍋」は、筍のエキスがたっぷり染み出た煮汁を使う春の鍋。目の前で沸々と煮える山菜の香り、鮮やかな緑も眼福です。

文:瀬川 慧 / 撮影:大山裕平

東京・銀座『銀座奥田』宮原 瞬さん作 
ホタルイカと春雨の春菜鍋

「筍を炊いただしは、とても美味しいものです。このだしを使って、香り高い山菜と旬のホタルイカを鍋仕立てにします」と宮原さん。銅製の小鍋に筍を炊いた汁を張り、その中にさっと茹でたコゴミ、タラノ芽、ワラビ、ヨモギ、ウルイ、菜の花、水菜、空豆など、数種類の山菜や春野菜を入れ、その清冽なエキスと歯ごたえを楽しむ。無論、これだけでは終わらない。第二幕は、旬のご馳走の生ホタルイカと木ノ芽を加えて、さらなる風味とコクをプラス。旨みをたっぷり吸い込むだろう春雨の美味しさまで、綿密に計算されている。緑の山菜に映えるウドの純白の景色といい、まさに春爛漫である。

筍の煮汁をだしのベースに

この鍋の真髄は、筍を炊いた「煮汁」にある。二番だしをベースにした濃いめの吸い地で筍を炊き、豊かな旨みを移す。さらに、旬のぷっくりした富山産生ホタルイカを入れることで、魚介の凝縮した風味が加わる。その深みのあるだしを山菜がしっとり纏うからこそ、美味しさも倍増。多彩な食感や苦味だけではない、山菜の豊かな風味や粘りにも改めて気づかされる。筍感を増したい場合は、姫皮を加えてもいい。

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