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【レシピ付き】大根が主役の一品 Vol.1 京都『むろい』

「聖護院大根だからできる、お気に入りの炊き方でいきます」と店主の室井 茂さん。京野菜で有名な『樋口農園』の向かいに店を構え、野菜を主役に据えたコースの名手として知られる室井さんが披露してくれたのは、昆布だしを限界まで煮含めたシンプルで滋味深い大根煮。ほぼ塩のみの潔い味付けで聖護院大根の魅力を浮き彫りにする料理は、火加減も重要なポイントです。

文:川島美保 / 撮影:東谷幸一

京都・鷹峯『むろい』室井 茂さん作 
聖護院大根の煮物 桜エビのかき揚げ添え

「切り方からして、聖護院大根は違います」と、室井さん。出始めの小振りサイズながら直径15㎝はある通称“丸大根”をまずは四つ割りに。皮を厚めに剝いてから、乱切りにする。「とある方から教わった方法ですが、こうしてランダムに切った方がキレイに味が入って、食感もいいんです」。今回は通常のコースで出す時よりも大きめに切って、ボリューム感を出すスタイルでいく。

超強火の直炊きで!

聖護院大根は、スイカのような甘く爽やかな香りも魅力のひとつ。その邪魔をしたくないから、香りが強くて“旨すぎる”カツオ節は使わない。ひと晩水出しした真昆布のだしに大根と特に相性の良いイリコを加えて直炊きする。

注目すべきは、その火加減。鍋底を覆う超強火で、グラグラと沸かしながら炊く。
「肉質が緻密で、いくら炊いても煮崩れないのが聖護院大根。意味なくコトコト炊くのは時間の無駄でもありますから」。公邸料理人として海外でも長年活躍。現在は独りでスピーディーに調理をこなす室井さんの考えは、自由で合理的だ。

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